ビーフィーター

正統派ロンドンドライジン。
そうは言いつつも、やはりその辺のロンドンジンとは違う。
わたしをジンに開眼させたジンだ。
これをサルートで飲むまでは、カクテル以外飲まない人種 だった。(ギルビーの話参照) おまけになまじカクテル知ってるもんだから、他のものを 飲もうという気にもならなかった。

通いはじめのある日のサルート
F「こんちは」
I「今日早いね」
F「うん。空いてる方がいいかなって思って」
I「なるほど。で、何にする?」
F「何か、メンドくさい。まかせる」
I「たまにジンスト(ジンのストレートの略)なんてどう?」
F「うーん。ジン。なぜカクテラーにジン?」
I「だって、ジンベース好きでしょ?」
F「ま、確かに。でも、ジンが好きなわけでもないけど。 たまに飲んでみるか」
I「何にします?」
F「言いだしっぺなんだから決めてよ」
I「じゃ、これでしょ。」
といって、冷凍庫から四角く細長い、 そして衛兵の絵の入ったビンを取り出した。 それをこれまた冷凍庫から取り出した、足つきの リキュールグラスに注いだ。
I「はい」
F「うん」
飲んでみると、少し柑橘系の香りが........。
そして、「ああ、これがジェニパーベリーか」と すぐに分かる丸い木の実の味。

今まで飲んでたジンはジンじゃないなぁと実感してしまった。
それ以来、ジンの虜となった。
バーに行けば、まずジンスト。これが今のえふの流儀だ。