趣味の活動は本当に公益性がないのか
タイトルが適切かどうか、いまいち自信がないのだが思いついたことがあるので書く。
基本的に、自分はいい年をした大人が自分の娯楽を優先するという精神が理解できない。誰かのためにしなければいけないことが目の前にあるのに、それを無視して、パチンコに走ったり、テレビを見ほうけたりしている大人を見ると、むちゃくちゃ腹が立ってくる。それは、別に自分が倫理的に特別高尚だからだとは思わない。普通に酔いつぶれるし、ヒトには言えないような数々の失敗を犯してきているし。それであっても、そういう、自己の娯楽最優先というスタンスの大人を見るとふざけるなとか思う。
で、まぁ、自己の娯楽というものを一般に趣味というカタチで言い換えられたりする。基本的に、今の僕としては無趣味で、仕事と子守りが趣味とでもいうしかないような生活かもしれない。でも、仕事も子守りも自分個人の楽しみを志向した娯楽ではないし、趣味とは言いがたいように思う。まぁ、人間たまの息抜きは必要なんだから、多少、自己の娯楽を持っていること自体を否定しようとは思わない。ただ、それが最優先で、他者のためという視点が完全欠如している大人がなんというか許しがたいと思うわけだ。
市民活動と称する色々なサークル活動を支援する施設の相談員をやっているわけだが、「純粋な趣味のサークルは支援対象からはずそうね。公益性が無いから」ということになっている。個人的には、そういう意識を持っているので、それ自体何の違和感もなかったのだけれど、友人のBLOGのエントリーを見て果たして、ことはそんなに単純なのかと思えてきた。
というのも、自分はそういう子供時代を送って、そうやってのめり込んで来たことで、今の力の基礎がついていることは疑う余地がないように思うからだ。
趣味で息抜き(カムイスペースワークスブログ)
http://myhome.cururu.jp/camuispaceworks/blog/article/81002753420
日常の通常業務の中では、なかなか挑戦するのは難しいです。
だから、趣味が大事です。
趣味は自分の時間だから好きに使えます。
興味を感じたら、本を買ってしまいます。
本をよんでしまいます。
何か作り始めたら、手先が器用になるし、頭もきっと良くなります。
(中略)
たいていの場合、趣味は人を救います。
それで得られた人脈や、能力が有効だから、やがてうまくいくのです。
お金を出してしてもらうだけのサービスを趣味だと思いこんでいる場合は、
その趣味はあまり役には立たないかもしれません。
でも、自分でよりよくを追究する趣味は、かならず役に立ちます。
ここでの話題はプラモデルだが、僕自身はプラモデルも没頭したが、実はプラモの趣味はそれほど役に立っているとは思わない。でも、僕としてはもっと没頭したのは、PCでゲームを作ることと遊ぶことだった。所詮ゲームされどゲーム。遊びごとのためではあるが、徹底的にノイマン型PCを理解し、各種の機械のBIOSやAPIを把握しないとより面白いゲームは作れない。当然、一般的な論理やプロセスを分解する作業など、結構能力を使う。
おかげさまで、ITの仕事を今やっていますが、たぶん下手なSEさんよりシステムをきちんと理解できている自信はある。でも、いまどきの専門用語は知らない。その頃の人脈だけではなく、それ以降の派生的人脈も含めると、非常に今でも役に立っている。
とすると、一見娯楽であっても、やはり没頭する趣味を持つことはだめではないということになる。子供のうちにそういう意味合いでの娯楽は済ましておけという、言い分も成り立つかもしれないが、大人になってから進歩するなということでもないし、子供の頃そういう趣味をもてなかった大人に無能のままでいろというのも変な話だ。
すると、大人であっても娯楽に没頭すべきだという話になるような気もする。でも、変な話、言われてみると、こういう風に没頭している様を横目に見ても、それほど腹は立たない。さすがに、隣に困っている人がいれば中断して助けてやれやとは思いますけど。
そう考えると、理屈の上でも、僕自身感情の上でも趣味のサークルも広い意味で十分な公益性があるともいえる。変な話、飲み会だってお祭りだってお茶会だって、人と人のつながりを作るという性質を考えれば、娯楽ではあるが、十分、公益性があるともいえる。
でも、パチンコをやりほうけることばかり優先する大人とか、周りでどんなに困っている人間がいても、ボケーっとテレビだけ見ている大人をみて、沸き起こるあの腹立たしさはなんだろうと思う。きっと、自己の向上も無く、他者とつながることも無く、ただ快楽に身をゆだねているだけで、何も生み出さないという、状況を大人が率先している様が許せないのだと思う。社会性の生き物であるべき人間が、社会性に明らかに背を向けているその状況が腹立たしいんだろうなと。