ジンギスカンの定義

ジンギスカンって、羊を焼くもんだ。という風に一般に言われている。多分それはその通りなんだろうけど、本当にそういいきれるのかとか思ったので書く。
何で、そんなことを思ったのかというと、15年来の友人(道外生まれ)が、うちに遊びに来たときに「エゾジカジンギスカン」なるものを食べたのが、きっかけ。
彼曰く「ジンギスカンは羊肉を焼くものであって、エゾジカの場合はそうはいわないのでは?」とのこと。ところが、タレに漬け込むタイプのジンギスカン文化に育っていると「エゾジカジンギスカン」というのは非常に普通だったりする。
で、思ったのだが、実は「何を焼くか」がジンギスカンの定義のクリティカルな部分ではなく、「どう焼くか」がそのポイントなのではないかと。そう考えてみれば、確かに子供の頃から肉(任意)をタレに漬け込んで焼くものを、「ジンギスカン」と読んでいたように思う。
その旨を、彼に伝えたら「味付けカルビはジンギスカンかよ?」と突っ込まれて、そこの会話は終わった。だけど、たしかに、小学校5年生ぐらいのときに、生まれて始めてバイキングスタイルの焼肉屋に行ったときに、味付けカルビのことを「牛のジンギスカン」と呼んでいたことを、ふと思い出してしまった。
もっと言っちゃえば、子供の頃「焼肉をする=ジンギスカンをする」だったし、漬け込まない生肉を焼くときにのみ、「生の豚だよ」とか「生の牛だよ」とか断っていたようにも思う。なので、生で焼く奴は特殊で、ジンギスカンではないものということだ。

と、おもうと、やっぱりジンギスカンの定義って、羊を焼く、ことではなく、タレに漬け込んだ任意の肉を焼く、という話だ。で、羊を焼くのはコストパフォーマンスがいいからというだけ。なので、ジンギスカンで論じるべきは、生か漬け込みかではなく、羊かブタか牛か鳥か(場合によっては鹿か馬か)なのである。