背中合わせの戦友

結婚して以来、家内と同じ方向を向いて物事をした記憶がほとんど無い。夫婦二人なら、まだ、仕事は仕事で楽しんで、遊びは遊びで一緒に楽しんで、家庭のことはそこそこに、という形もとれて同じ方向を向くことも出来るかとは思う。
うちの夫婦は、私の仕事の都合と家内の体調の関係で夫婦二人の間はほとんど別居状態で、ようやく同居できたら子供がいる状態。

仕事のこともある程度分担。子供がいると、家庭はそこそことはいかない。なので、家庭のことはある程度分担。分担比率は各家庭でそれぞれだろうけど、とにかく、同じ事をするという機会は日常的に激減する。きっと高度成長期は、仕事100%と家庭100%で夫婦分担だったんだろう。現代は分担比率は相互にそれぞれあるのが普通のようだ。

とにもかくにも分担せざるを得ない。それだけ、ひとつの所帯という仕掛けは内向き(家庭)と外向き(社会)と複雑になっている。分担している相手がやることをいちいち気にかける余裕は無い。少なくともうちの夫婦はそう。こうなると、背中合わせになって、社会と家庭と立ち向かう戦友そのものである。他方が討ち死にしたらおわり。ついでに、他方が裏切ってもおわり。手を抜いてもおわり。

でも、それだけ信頼できる相手じゃないと、一緒に家庭の維持と社会へのかかわりを同時には出来ない。多分、大方の家庭は、子供が出来るまでの間に、いろいろな場面で同じ方向を向いて、お互いのその方向へどれだけ強いかを確認しあって分担しているんだと思う。で、想定されるパフォーマンスを省みて、自然と分担が決まるんだろうなぁと思う。

が、うちはそんなこんなで、戦いながら分担するという感じ。おかげで夫婦喧嘩は絶えない。今年も絶えなかった。でも、これはしょうがない。背中合わせで一緒に戦うしかないんだし。これからもきっとそう。時々向きを間違えたり、転んだり、弾が切れたり、いろいろなことが起きると思う。でも無事一年過ごせたのは、とっても嬉しい限りだ。