検証

大抵、科学と科学じゃないものの分岐点として、多くの人は、この検証が出来るか出来ないかという事と、検証してみて、合ってるかどうかで確認できると考えがちである。 が実際のところ、この検証がいかなるものかというと、これはこれで難しい。

ここでは一般に科学哲学で受け入れられている、意味の検証理論における検証を考えてみよう。

さて、科学理論を命題の集まりと考える。次に、ここで命題を4つに分類しよう。

一つは、命題の形から、すでに真偽が定まっているもの
すなわち、トートロジー(恒真命題)や矛盾命題である。

もう一つは原子命題。
これは経験的内容からなるもので、実際の経験と照らし合わせれば真偽が定まるもの

そして、分子命題。原子命題とその論理的結びつきからなるものである。
経験と論理を追っていけば真偽は定まるものである。

最後にそれ以外の命題。真偽を定められない命題である。

そして、科学の命題というのは、はじめの三つ、すなわち論理と経験から明確な真偽の定まるものであるとする。
言いかえると、検証というのは、そういう経験と論理で明確に出来るものである。
しかし、ここにあげたような単純な論理と経験のみで真偽が定まるような命題のみで科学が成立しているだろうか?
多くの場合、科学の理論はそのようにはなっていないということが分かった。 そして、多くの科学哲学者は、この検証という概念を放棄し、確証や反証など違った概念によって科学とは何かという問題に取り組んでいく事になった。