操作主義
物理量の意味は、それを導き出す「操作」に よって決まるとする立場。
物理量の意味を議論する時は様々な問題をたいていは
はらんでいる。それは科学哲学だろうと、
現場の科学研究であろうと同じである。
違う意味の物理量をきちんと区別して理解しなければ、
何の意味も成さない。
そこで、ある量を得る実験操作によって
その意味を規定する。
例えば、我々が「長さ」を議論する時、 巻尺なり定規なりで測定する。 その様な操作で定まったものを長さという。 また、熱量の測定は、温度計と質量などから 行なうことが出来る。等々。
この考え方は現場の実験科学の反映ともいえる。
しかし、大きな難点がある。
一般の科学者の感性から言うと、同一の物理量を
異なる実験操作でも得られるということが多々あるからだ。
たとえば、ものの長さですら、違う長さがたくさん存在する事になる。
A:定規にて直接測定
B:三角法にて測定
この二つですら違うものだ。
ましてや、電流や電圧などは多様な測定原理が存在する。
操作主義では、こうした違う手法で得た物理量はあくまでも 違う物理量なのだ。 それは一致してようが相関してようが、違う意味を持つ 物理量である。
しかし、実験操作を重んじる現場の科学のある面を 捉えた立場ともいえる。