反実在主義

文字どおり、 実在主義 に反対する立場である。
しかし、この主張も呼称から来る誤解も多い。

この主張の述べている所は、
世界が科学が述べるように構成されてはない。
(もしくは、将来的に科学がその様になる事を目標としない。)
という点にある。

言い換えるなら、ファンフラッセンが述べたように
「科学の理論はフィクションである」
という言葉に凝縮されるだろう。

しかし、そのフィクションも経験と合致する事は 厳しく要請される。
また、同時に現代においては、同時に そのフィクションに対して整合性も求められる。

すなわち、経験的に適切である事と、 理論の内部の整合性を要求するという点では 科学実在主義も反実在主義も何ら差異はない。

差異はただ一点。それを真だと信じるか否かにある。


さて、反実在主義の主張に対する一番の誤解はやはり 「虚無主義」との混同であろう。
すなわち、

何も実在しない、存在しない。

という主張との混同である。
これまでの議論を見ればわかるように、 あくまでも、反実在主義の主張は

科学が述べるように世界が構成されてない

という点にあるに過ぎない。
むしろ、我々の普通の経験や、普通のものの存在を より強いスタンスで支持しているといえる。


現代の反実在主義者としてはファンフラッセンが著名である。