物理学と生物学

高校までだと、物理を学ぶ人ってあんまり生物勉強しないし、反対に、生物を学ぶ人って物理を勉強しない。だから、実は、多くの人がお互いの学問のことよく分ってないけど、なぜか信念として、物理学が生物学の基礎と思っている人が多い。
理由としてはどうやら、物質は、分子からなっているし、分子は陽子と電子からなっているし、陽子は何とかとかいう素粒子からなっているし.......。そうすると、生物学で研究する、生物はみんな、物理学で研究されている何とかいう素粒子から出来てるんだから、その素粒子を研究するのが生物の根本を学ぶということになる。ということのようだ。
ところが現実には、素粒子をいくら学んでも、猫の行動一つ分からないのが現実だ。(じゃあ、今の生物学で分るのかといわれても.....。)要するに素粒子では、そういう現実に起こることをそんなに説明出来るわけではないらしい。
その道のことをやっている人の話では、一個一個の素粒子の挙動と固まりになったときの素粒子の挙動は違うのだそうだ。素粒子の研究をいくらしても生物のことは分からないらしい。

ところが、分子になると、途端に話を変えるようだ。ありとあらゆる生物のことを、分子の固まりが説明してくれるということになっているようだ。DNAって奴は、今はやりの複雑系というのと手を組んで、生物の世界ではおおはやりのようだ。
この二つのキーワードで、生物のすべてが説明出来るかのような話だけど、でも、説明できたっていったいどういう時にいえるんだろう?
いろんなキーワードをただ持ち出して、それだけで説明っていえるんだろうか?

私は、DNAも複雑系も分からないので、そんなものいくら持ち出されても、いっこうにぴんと来ない。だって、生物は目の前で 見ることの出来る犬だの猫だのが相手だし、(細菌はウイルスとか、直接目で 見ることが出来ない相手も増えたけど)複雑系もDNAの構造も直接目では見れないと思う。
だから、生物学を物理学で説明できたといわれても、この間には、大きくて深い亀裂があるようにしか思えないのだけど。