想いを形にしていこう。
さて、動画を作る上の二つの問題である
・何を伝えれば良いか
・伝えたいことがどうやれば伝わるか
というのは、理解して頂けたと思います。この問題は理解することが重要で、この問題をクリアできるかどうかは別の問題で、実践をしていくことで自然とクリアできるものですので、まずはどんどん作っていきましょう。
■まずは撮影をしていきましょう
とにかく街に出て(別に山でも良いけど)、どんどん撮影していきましょう。「?」「!」探しとしてでも良いし、欲しい情報の連鎖で撮るのでも良いし、とにかく撮影してしまいましょう。でも、ちょっとだけ注意して下さい。
1.撮っちゃいけないといわれたら撮らない
これは基本的マナーです。人物もそうですし、個人のおうちなども嫌がられた場合はちゃんと取らないようにしましょう。あと、撮影禁止と書いてあるところもやめましょう。
2.こっそり撮らない
怒られるのが嫌だからって、隠し撮りはやめましょう。要らぬ誤解を招くもとですし、折角撮ったのに使えないということになります。
3.撮った時に話を聞こう
特に人を撮った時なんかは、その人の話を聞きましょう。あと人込みなんかで、「?」を感じたら、撮ったついでに他の野次馬に一言聞いてみましょう。感心の連鎖が広がります。
普通のマナーを守っておけば、特に問題はありません。
■撮ったものを確認しましょう
沢山撮影したら、家に帰ってきて、PCに取り込んで撮ったカットを確認しましょう。
1.カットが見れるかどうか確かめましょう
案外、携帯動画はちょっとぶれるとグチャグチャでなんだか分からなくなりがちです。きちんと確認して、撮りたいものが撮れているかどうか確認して下さい。
2.ラッシュノートを作ろう
ここで、どのカットがなんのカットなのか分かるように、ファイル名とそのカットについてのコメントをテキストファイルなどで残しておくと後々便利です。こういうメモをラッシュノートといいます。
3.再度撮影へ
カットが足りていると思えば、次のステップへ。足りないなぁと思えばまた街に行って撮影しましょう。例えば3分のものを作りたければ、撮影の合計時間が3分以上は当然必要ですし、伝えたいことを写したカットが無いのであればそのカットを取りに行く必要があります。
これでカットが揃ったら、ようやく編集という作業ステップに移ります。
■とりあえず繋いでみよう
この先は、色々と作業手法は人それぞれなのですが、私のやり方を紹介していきます。
とりあえず、携快電話11でもなんでも良いので、撮ったカットをまずは適当に繋いで再生してみます。音を切って再生してみます。多分、なんだか意味不明な内容になっていると思います。
映像の文法が染み付いている人であれば、この時点でそれなりに分かる内容に繋がりますが、そうでないと意味不明になるのは当然です。で、どうするとそれっぽくなるのかというと。
1.場所毎で固める
撮影した場所毎でカットをまとめてみましょう。あちこちシーンが飛んでしまうと分かり難くなります。
2.人毎で固める
次に、場所毎の中で人物毎にまとめてみましょう。登場人物がいきなり減ったり増えたりすると、案外混乱します。
3.時系列でならべる
映像は時間順に流れていきますので、出来事の起承転結は大切です。物事が起きた順番にならべていかないと、見ている人がやっぱり混乱します。
もっと細かなテクニックもあるのでしょうが、それは好き好きなので、この程度を意識するだけで並べ替えてみましょう。ラッシュノートを参考に、場所、人、時間をならべて下さい。
■お話をつけましょう
繋いだだけで、音も含めて十分に伝えたいことが伝わるものであれば、これでOKです。でも、なかなかそうもいかないでしょうから、繋いだ映像にコメントをつけてお話にしていきましょう。
1.音を切って再生しましょう
まずは音を切って、自分で繋いだ映像だけで内容を理解しましょう
2.自分で解説をしゃべってみましょう
友達に解説するつもりで、作った動画を無音で再生しながら、解説をしてみましょう。
3.コメントに起こしましょう
元々の部分の音を使うところとそうでないところを区別して、元々の音を使わないところのコメントを簡単に紙などに書いてみましょう。書いたコメントを、再生しながら読み上げてみてきちんと動画の時間に収まっているのか確認してみましょう。
4.コメントを動画につけましょう
技術編を見ながらコメントをつけてみて下さい。
これで番組自体は完成です。おめでとうございます。あとは気の利いたお題とか考えてWebにアップしていきましょう。
■補遺
多分、この道のプロから見ると、どこが企画編?という感じもするかと思います。でも、放送局用の番組のように、緻密でしっかりと多くの視聴者に向けた番組制作に必要な企画編集手法は、パブリックアクセスでは必ずしも必要じゃないと思っています。
自然と想いがうまれて、自然と編集できる。という無理の無い環境が、パブリックアクセス向けの番組制作には必要なんだろうなぁという考えで私はいます。ですので、この企画編には、企画書の書き方も、構成表の書き方も、台本の作り方も、編集技法の解説もほとんどありません。
大切なのは、こういうテクニックを駆使して、プロっぽい番組を作ることじゃなくて、多少荒っぽくても、自分の目で見たことを、地域の多くの人達が日常的に形にすると言う事だと思います。