プラットフォームの寿命は何が決める?
いやー。今更ですが、すごいですねぇ。
ゲームボーイ。
ソフト屋とかいったら、
ずらっと陳列棚一面埋めて売ってるし、
新作ソフトもまだ出てる。
ハードが出てから、9年。恐るべき寿命だ。
しかも、出荷台数では、唯一、あのモンスター、
PSと張り合えるハードになっている。
何が理由って聞きゃぁ、みんな口をそろえて
「ポケモン」
って答えるんだろうけど、 ほんとにそれだけかなって気はする。
古い話で恐縮だが、このGBのように、一見すると
一つのソフトで、いっきに延命に向かったハードが
実は昔あったりする。
それは、MSXだ。
じつは、このハード、一度完全に死に絶えかけた。
同時にMSX2への移行も失敗した。
にもかかわらず、いまだにfMSXのエミュレーター等で
楽しむ向きもあるくらいの代物だ。
このプラットフォームを生き返らせたのが、コナミの
メガロム第一弾「グラディウス」(以降グラ1)だ。
これが出るまで、どんどんメーカーが撤退し、 売り場は縮小され、移植作から取り残され、 もはやジリ貧のハードだった。
これが出るや否や、一気に復活。
ソフトの売り場は増える、MSX2が売れはじめる。
コナミのこの頃の名作はMSXでありながら
今遊んでも十分新しいものが多い。
確かにそういう意味では良質のソフトが、
どんなハードでも生き返らせるといえる。
しかし、ちょっと考えてもらいたい。
GBのポケモン、MSXのグラ1
それが出る前に消え去っても本当は不思議ではない。
そんなハードは腐るほどある。
MSXと同グレードのハードとしては、
SG1000、ぴゅー太、らくがき君、etc........。
それぞれが早い段階に皆消え去った。
実は、そのハードに継続的に良質なソフトが供給されていた
ことが、本当の復活の源だったのではないかと思う。
MSXへコナミは継続的に良質なソフトを提供していた。
グラ1の前年に出た魔城伝説などは、これがMSXかと
目を疑うほどの作品であった。
言い換えるなら、どれがブレイクしてもおかしくない
ソフトが大量に供給されていたのだ。
それは、その後のソフトの供給にも伺える。
MSX2に対しては、今も新世代ハードで遊べる
「スナッチャー」、PSへのアレンジリバイバルともいえる
メタルギアソリッドの元となった「メタルギア」
MSX1に対しては、グラディウスを基調とした、
横スクロールシューティング群。さらに、過去の名作の
アレンジ続編である「夢大陸アドベンチャー」
「ガリウスの迷宮」など、書いていたらきりがないほどだ。
(一部はPSのMSXアンティークで遊べるようだ)
翻ってみるに、GBもポケモン以前に、根気強く 良質のソフトを提供し続けていたのではないか。 ヨッシーやマリオを題材とした、アクションゲーム、 パズルゲームなど、旧世代機にもかかわらず、 任天堂が粘り強く、ソフトを提供してきた。 ポケモンはその事実が華を咲かせたに過ぎない。
思うに、ここでポケモンブームに安住せず、 MSX時代のコナミのように、良質のソフトを 出し続けること。これが、GB、さらには任天堂の 天下を再び作るのではないか。
当時のMSX、今のGB、
どちらもユーザーが明確に発信している
メッセージがある。ゲームに必要なのは高価な次世代機で
しかできないようなことではなく、
ロースペックマシンでできること。
技術的にはこれで十分である。
ころころプラットフォームを乗り換える
ソフトメーカー、
前のユーザーをどんどん切り捨てて
次の世代のハードを出すメーカー、
次世代機、次次世代機
を安易に賞揚するメディア。
彼らにはもう一度、この事をよく考えてもらいたいものだ。