ゲームとアイヌ問題~ナコルルを通じて~

ゲームを単純に「おもちゃ」と考えていいものであろうか?
私のかんがえでは「否」だ。メッセージなり、面白さなりを 「伝えたい」製作者がいて、それを受け取り、感じ取る ユーザーがいるのだから、その間を取り持つゲームは 立派なメディアだ。

メディアである以上、伝わるものに誤解はない方が 良いだろうし、誤ったことは伝わらない方が良いと思う。 それがゆえにTVの世界では、様々な問題を 引き起こしている。
最近減ったが、そういったものの一つに民族問題の扱いがある。TVで、多くの民族が誤った価値観と固定観念で伝えられ 続けたのは明らかな事実だ。 これはメディアとしてはあまりよくない傾向だとおもう。 そして今、TVゲームも同じ轍を踏もうとしているようだ。

一つ 興味深い指摘がWeb上で見られる。(1997時点。現在はサイト閉鎖のため見られない。)
この趣旨を見ると、いろいろな意見を持つ方もいるだろう。 個人的にはチュプチセコルさんの意見には賛成だ。 多くの方が、この問題に無頓着だし、 アイヌ問題を多少知ってる方でも、アイヌに対する理解は? という方が多い気がする。(私だってたかが知れるとは思う)

ナコルルはそんな中で、数少ないポジティブイメージな キャラである。だからこそ、ほんの少しの修正で済むことは、 修正して欲しいのである。(行き過ぎたネガティブイメージ のものは修正でなく止めてくれと思う) また、アイヌの方々も、「どうせ和人には分からん」と 沈黙せずにどんどん指摘して欲しいのである。 そうした言葉の交流が、TVゲームを、ある意味で TV以上の「大人のメディア」に育てることに なるのではないだろうか。

TVのように、今、ゲームの制作とユーザーの 乖離が始まってきている。乖離しきってしまっては、 この交流は期待できなくなる。
TVゲームをただのおもちゃ以上のものにするためにも、 今こそ、あらゆる立場の人が多くの言葉を交わすべきだと 思う。