科学方法論序説―自然への問いかけ働きかけ
「あの頃ペンで原稿用紙に論文をかく人がまだいた」などと語ることになるのだ。(P.197)
すでにそうなってますね。大学1年のときの授業の教科書ですので、ほぼ20年前の本です。
可仏と言われる先生の授業で、結局好きになれませんでしたが良をとったように記憶しています。改めて読んでみますと、それなりに面白いのですが、まぁ、大学初年度向けの本かなと。科哲屋の見るという観点で厳密な論証に慣れてしまうと、ちょっとなぁと言うところはあります。
実験とは、自然を拷問にかけ、その自白を強いることだというが、'法律'上の白黒の裁定と科学的'法則'の探究とでは精神構造も実践様式も違うのではないか?(P.121)
同じ、Lawという単語でくくるからといって、これはさすがに乱暴な議論でしょう。ニュアンスは分かるんですけど。個人的には以下の表現は好きです。読む価値が無いとはいわないけれど、他の本でも良いかな。
熱のこうした落ちぶれざまを記述するにあたって、学者はエントロピーが増大するという表現を選んだ。(P.98)