新訂 徒然草
筆を取れば物書かれ、楽器を取れば音を立てんと思ふ。盃を取れば酒を思ひ、賽を取れば灘打たんことを思ふ。(P.270)
まぁ、楽器以外の煩悩はたっぷり備えております。
日本の随筆集の中の名品中の名品「徒然草」。いまさら本の解説は不要かと。名著なので日本人なら読んでおきましょう。
色々と、自分的に分類してメモだけ残すと言うことで。
自分のありよう。
まことの人は、智もなく、徳もなく、功もなく、名もなし。(P.73)
すべて、人は、無智・無能なるべきものなり。(P.385)
よくわきまへたる道には、必ず口重く、問はぬ限りは言はぬこそ、いみじけれ。(P.139)
自分の行動
勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。(P.189)
改めて益なき事は、改めぬをよしとするなり。(P.211)
万の事は頼むべからず。(P.351)
世のありよう
吉凶は、人によりて、日によらず。(P.159)
自己の楽しみ
ひとり、燈のもと文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる。(P.36)
時代風俗研究小ネタ
匂ひなどは仮のものなるに、しばらく衣裳に薫物すと知りながら、ならぬ匂ひには、必ず心ときめきするものなり。(P.28)
甲香は、ほら貝のやうなるが、小さくて、口のほどの細長にさし出でたる貝の蓋なり。(P.69)
この行長入道、平家物語を作りて、生仏といひける盲目に教へて語らせけり。(P.377)