文字の歴史

このアルファベット(かな)が、ヨーロッパ人が日本に来る以前に日本人が自ら作り出したものかどうかつまびらかにしない。(P.142)

なんというか、この西洋至上主義者がふざけるなとか思う。良いシリーズなんだけれど、視点がなんだかエライ偏ってるんだよね。
で、シリーズ一巻目は文字の歴史。確かに始めに言葉ありきってぐらいだし、人類が人類たらしめているのは、この言葉を記録していると言うところにあるわけだ。なので、良いチョイスではある。
歴史の記述そのものも文字があってこそ。記号を文字に。この発展を概観できる本である。ただ、西洋至上主義はさっぴいて読もう。

記号やシンボルが体系付けられ,複雑な感情や考えまで表現できる「文字」となるまには、長い時間が必要だった。(P.16)
印刷術発明の功績は、やはりグーテンベルグに帰されるべきだろうが、もちろんそれは一夜にしてできあがったわけではない。(P.98)
混沌とした表層の下に潜む秩序を見いだすというこの才能は、偉大な業績を残した人物に共通の資質と言ってよいだろう(P.129)