魯山人陶説

何とも言えぬということはありはしない。これは将来は何とか言えるようにならなければならぬ(P.33)

いやはや、それは何でもその通りでして。美食家で有名な魯山人の陶器についてのエッセイ集。
年寄りの説教集系の本の中では結構読めるほう。でも、この文章の高圧的な感じは何とかしたほうがいいよなぁ。
いいこと言っても若いもんはぐれちゃうよ。成功者の思い上がりと取られても仕方ない文体だもん。
その辺をさっぴいて読めばいい内容かな。

内容さえあれば、誰がけし粒ほどの瑕瑾をとがめよう。(P.153)

って、本人が思っているんだろうし、しょうがないよね。

人間が野心を持たないで、無心で物を造るとき、その作品は嫌味がない。(P.187)
世間並みの相場で、堂々と物を買うという方が、どれだけよいか知れない。(P.245)
心に欲すると欲しないは別とし、品物の難くせ言うは悪し/儲かるとてみだりに売るべからず(P.274、骨董買い上手の五則)
「逆境に生れ落ちても、努力次第でこうなれる。敢えて俺の名誉のためでなく、ゆくりもなく逆境に生まれ、悩んでいる人たちへ、せめて励ましになるように、俺の伝記の冒頭に、このことを書いてくれ」(P.339、編者あとがき)