科学論序説―新パラダイムへのアプローチ

科学的合理性に席を与えているのは科学者なのであって、彼らが使いこなしている規則ではないのである。(P.236)

まぁ、大学院のときに受験前に読んでおくといいですよといわれた教科書。にもかかわらず読んだのは、院に入ってから。まぁ、良くぞ受かったものだ。全然内容を把握してなかったんだもん。
今でこそ、この本の内容はある程度、身に染み付いている。著者の主張は自分の意見に必ずしも合致していないけれど、科学哲学の諸問題をそれぞれ簡便にまとめてあって、内容の把握は適宜行なえる。
そういう意味では、科学哲学の初学者が一度丁寧に読み込んでおけば間違いはない。
まぁ、いっぺん読んでおくといいかと思います。ポパーでもクーンでも、こいつを読んでから読んだほうが、誓いが深まるでしょうし。

論理経験主義的科学哲学の中心学説は、発見の文脈と正当化の文脈とを区別することである。(P.200)