君主論
(運命が人間活動の半分は支配しているけれど)あとの半分か、また半分近くは、運命もわれわれの支配にまかせているとみるのが真実であろう(P.137)
有名な一冊。勝つために手段を選ばない的な本と思われがちだけれども、勝った後を考えると、やっぱり手段はよく選びなさいって事も書いてある。
特に、民衆に如何に遺恨を残さないかの重要性は、結構しつこく語っている。何のかんの言って善政を敷くことの大事さは変わらない。
民衆というものは、頭を撫でるか、消してしまうか、そのどちらかにしなければならない(P.18)
加害行為は、一気にやってしまわなくてはならない。(中略)これにひきかえ、恩恵は。よりよく人に味わってもらうように、小出しにやらなくてはいけない。(P.55)
君主は民衆を味方につけなければならない(P.59)
あと、群雄割拠な状況の兼ね合いで、今の世には会うのかどうか。たとえば
よい武力を持たぬところに、よい法律のありうるはずがなく、よい武力があって、はじめてよい法律がありうるものである。(P.68)
でも、武力が経済力に変われば今も通じるかも。あと、自力で生きる大切さ。現代でも、どんな国を作るべきかの参考には、確実になっている。一読はすべき本かな。
第三者の力で勝つぐらいなら、(中略)自力だけで負けることをこそむしろ願うものである。(P.77)
自分の力に基づかない権勢や名声ほど、もろく、たよりないものはない(P.80)