文明の生態史観
東洋とか西洋とかいうことばは、ばくぜんたる位置と内容をあらわすには、たいへん便利なことばだけれど、すこし精密な議論をたてようとすると、もう役にたたない。(P.83)
大学のときに読んで結構感銘を受けた本。持っているのは文明の生態史観 (中公文庫)なので、ひょっとするとおおかたの人が手に入れれるものとはこのページ番号振りがづれているかもしれません。
たしかに、「あじあ・いず・わん」ってのも当たり前に乱暴な議論だしな。そう考えれば、短絡的に東洋と西洋って分け方もおかしなもんだ。で、この本の理屈では、周辺と中央大陸ってのが大きな区分け。結構内容的に、ほうほう、とか思って読める。
今読んで、面白いと思うことは面白いけど、やっぱり状況がちょっと古いかな。今の状況でこの論がまだ成立しているのかどうか気になるところではある。それを検証する元気はないけど。
やはり日本人の生活様式は、高度な文明生活であることは、うたがいをいれない。(P.87)
残虐行為の研究は重要である。そのいたましさを描写し、のろうだけでは不十分である。(P.130)