ファウスト
人間は、努力をする限り、迷うものだ。(第一部P.28、主)
ファウストの一生をあらわした戯曲。人間は努力をする限り迷うものであるということを地で行く内容。
森羅万象を知った気になっちゃったファウストの前半部分は、この情報化社会で若い人が陥りやすい絶望感に良く似ていると思う
困苦に堪えよ、欠乏をしのべ、/これが永遠の歌なのだ。(第一部P.106、ファウスト)
今のメディアから入ってくる情報で世界を全部知った気になれちゃうという意味では、ファウストの時代よりまだ悪い。でも、第二部で少しづつファストは変わってゆく。
人生は、彩られた映像としてだけ摑めるのだ。(第二部P.14、ファウスト)
人生そのものの意味についてはある種の空虚さを認めつつも
善いものが欲しければ、自ら善いものになるべし。(第二部P.34、天文博士)
と、心を入れ替え、ものの見方も入れ替わり、自分が調べ知ったことを捨て去り
この地球にはまだ、/偉大な仕事をなすべき余地がある。/驚嘆すべきことが成されなければならぬ。/私はひたむきに努力すべき力を感じる。(第二部P.369、ファウスト)
という心境に変わる。そして、自己ではなく社会を見つめるようになる。ファウストみたいに遠回りはしたくないので、こういう心境になりたいものです。
事業がすべてで、名声は空なるものだ。(第二部P.370、ファウスト)