詩経

名訳かつ迷訳。
四書五経なんていうなかで、孔子が最も重んじたといわれる経のひとつ。らしい。
こいつを歴史小説家である海音寺潮五郎が翻訳したもの。

この本の訳では、絶対に受験に受からないでしょう(笑)
それぐらい、原文無視的翻訳の嵐。でも、他方で、それだけ読み込んで意訳しているという点は、優れている。特に、後半のいろいろな人物の活躍を歌った歌の数々の翻訳に関しては、「さすが、歴史小説家」と感心する傑出した訳も多い。

他方で、そこまで無理しなくてもいいのになぁ、という意訳も少なくない。そういう点で、かなり野心的な「詩経」の訳書。
でも、読みやすいので、さらっと読んで、こんな雰囲気のことが書いてあるんだな、ということを確認するには優れているかも。