失敗の本質 日本軍の組織論的研究

どんな計画にも理論がなければならない。理論と思想にもとづかないプランや作戦は、女性のヒステリー声と同じく、多少の空気の震動以外には、具体的な効果を与えることはできない。(P.328:米第三艦隊参謀長、レイテ島攻略を前に)

全く持ってそのとおりで。で、わが国はというと

「一個師団位いちいちやかましくいわないで、現地に任せたらいいではないか」(P.50:陸軍大臣、ノモンハン事件で)
「十五軍ノ考ハ徹底的ト云フヨリハ寧ロ無茶苦茶ナ積極案」(P.158:大本営参謀、インパール作戦で)

という状態で。勝ち負け云々以前に、よく5年近くも対米戦争やれちゃったよね。
本書を読んでいただければ、丁寧に分析しているので、その辺の具体的な話はよく分かります。が、あまりのずさんなエピソードの数々に唖然とします。
正直、自分にも旧日本軍的素養がなくもなく、特に失敗時の代替案の構築はいつも甘いなぁと自覚しております。おまけに長期戦が苦手で、基本的に作る策は決戦思想型が多いんで。その辺もろもろ反省できたので、読んでよかった本ではあります。

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