経営を可視化するナレッジマネジメント

社員の頭の中にあるナレッジをマネージ(管理)することはできない。その代わり、すべての社員が持てる能力を最高の状態で発揮できるように環境を整備することが重要である。(同書p.157)

なかなかいいことを言う人がいる。なんでも、この本のベストプラクティスとして紹介されている会社の社長の談。
で、この本自身は、この発言の真逆。ナレッジだけを切り出して浅はかに管理しようという本。真逆なのにペストプラクティスになっているってことに思いをはせないで、この本に書いてあることをただ実践すると、会社として機能しなくなります。実に、適当に専門用語を輸入して再構成した、実に日本的なダメ書籍。

とにかく、本の方針は組織第一、人間からナレッジを切り離して如何に組織内で管理するかってことばかり。働く個が、個としての才覚を最大限に発揮するという話ではない。まさに、ナレッジはマネージできないってことの根源的意味を理解していない。
でも、この本をはじめて読んだときはそれなりに勉強になった気はしたんだよね。サラリーで生活していると、組織第一の方向で、事象を見ちゃうんだろうな。人間の一側面を切り出して理解するてことは、時には役立つけど、本来如何に本質的じゃないかってことなんだろうな。

BOOKOFFへさようならです。