地域は変わる。だけれども。

ついに、うちの近所のそばの再開発も大詰め。
再開発のシンボルのうちの一つ、大型ショッピングモールがついに建築が終わった模様。後は内装やら、バイトの教育やらというところで、遅くとも9月末にはオープンするらしい。
この2~3年で、うちの住む近所の風景はどんどん変わっていく。地域は成長しているし、それにともないさまざまな機能が必要となっていくのは理解できる。

「しかし」と私はどうしても思ってしまう。こんなどこにでもある中堅都市のモデルをそのままここに作って何のメリットがあるのだろうかと。地域には地域の個性があって、どこかで見たような風景ではない風景を作り出せないのだろうかと。

いま、地方の時代とそこかしこで議論されている。しかし、それは「地方をプチ都会のようにする」ということではないはずだ。正直言ってうちの近所の開発に関しては、どこにでもある「プチ都会」を作っているだけで、この地方の文化やコミュニティを考慮して作ったものとは思いがたい。今まで持っていた、「古墳が息づく異様な農業国家」という側面がすっかり息を潜め、日本中どこにでもある「グローカル企業を中心とした企業城下町」という側面だけが強調されている。
日本中フラフラとして仕事をしている僕としては、ここに住む動機が一つ減った、とも言える。なんのかんのいって、今のこの地域が好きだし、その地域の個性を楽しんでいたのも正直なところ。

とはいえ、古くからこの地域にすんでいる人にとっては、こうしたどこにでもある、種々の機能を持ったプチと会のようなところを望んでいたのかもしれないので、僕のような流れものがとやかく言う資格は無いのかもしれない。

だが、田舎に住むといわれる人々には声を大にしていいたい。あなたの住む土地の景色はそこにしかないとっても貴重な代物だってことを。ショッピングモールだの、高架化された道路だのってのは、日本中どこにでもあるつまらない景色だってことを。