この時期に微妙なバラマキ考

さてはて、選挙が近づいてまいりました。色々な選挙報道を聞いていると、あの党の政策はバラマキだとか良くいうわけなんですけれど、その手の批判はどうかとか思うわけです。

というのも、政治で動く公益システムってのは、原則として「富の再配分」という、対価性のない活動をするためのシステムなわけです。言い換えるなら、集めた税をばらまくためのシステムでしかないということです。そういう意味では、バラマキをしない政治システムというのは、政治家と官僚が完全にすべてインマイポッケという状況(全額、官僚と政治家の人件費で完結)と、全額倉庫に保管という状況(全額、繰越金で完結)ぐらいしかありえないわけです。ちなみに、全額預貯金ですと利息は付きますが銀行業界へのバラマキとなります。
そうすると、政策というモノは全政党ともにバラマキについて論じているだけのことで、別にバラマキ批判をしあうというのは、自分で自分の首を絞める以外ありえないということです。そう思うと問題点はバラマキであるということではなくて、問題は、何処に、どの時期に、どの条件で、どのくらいばらまくかという話でしかありません。その辺は、マニフェストを見比べて比較せよということになります。

ちなみに、センターに遊びに来たおじいさんが面白い逸話を教えてくれました。
某政治家が「この国道は俺が作った」という話をしました。それを聞いた支援者は「そうなんだ。俺は国の税金で建設会社が作ったものだと思ったよ。そうかあんたが作ったのか」と。
これは、支援者の指摘はすごく秀逸だなと。バラマキ先は国が合議制で決めるものであって、一個人の恣意では決められないわけです。某政治家が言ったことが真実なら、私的な横領と取られても不思議ではない話なわけです。さらに、建設会社が国の税金を適切に受けて建設を始めたとしても某政治家の指示でその概要を決めていたのであれば、思い切り監督レベルでの私物化なわけです。
要は、こういうバラマキが問題なのであって、バラマキそのものが問題なわけではないのです。政権与党を批判したいわけではなく、政権野党の人でも票欲しさにこういうことをいう人はいます。ただ、こういう見識もなくうかうかとこういうことを話す政治家を選ぶのはどうかとか思うわけです。

まぁ、どっちにせよ、僕の好みのバラマキ政策を作っている政党が一つもないのが今回の選挙の悩みの種ではあります。誰入れようかな。困ったな。