匿名性を考える

最近、電子会議室のお仕事が多いわけなんだけど、匿名OKの会議室なんかもを運営しながら少し考えた。(メモ程度です)

よく言われること
1.匿名性を求める人はバーチャルもリアルも匿名性を求める
2.場を荒らすような発言をするのは匿名で守られている匿名登録者

で、プライバシーにかかわる政策に関する電子会議室の仕事をやったところ、この辺は必ずしも成立していないなぁと。

プライバシー擁護派は実名登録で実名発言
プライバシー不要派はそろいもそろって匿名登録で匿名発言

つうか、おまえらやってること矛盾してないか?
プライバシー不要だって言うなら、堂々と実名で主張せい!とか思うわけです。擁護派のほうが匿名じゃないってのは意外。言い換えれば、ネットで匿名じゃないと登場できない人は、リアルでのプライバシーは不要。1のよく言われる話は偽ということになる。

で、議論の内容や進め方を見ると、匿名者のほうはそろいもそろって「みんなで和を持ってやりましょう。厳しい相互批判は止めましょう」という発言ばかり。むしろ、実名者のほうからの匿名者への批評、批判のほうが鋭く厳しい。完全実名掲示板では確かにさほどあれない。意外と、実名を出したほうが後ろめたさがなく、匿名でこそこそ発言する相手に対して、より強圧的になるのかもしれない。
そういう意味では、2のよく言われる話も偽。

匿名性を配慮した様々な試みが行われているにもかかわらず、いまだにうまく機能していない電子会議室。こうした神話をひとつづつ丁寧につぶして、電子会議室における匿名性の弊害とその意味を、一度考え直す時期に来ているのかもしれない。