大倉山ジャンプ台のような起業支援

2~3年前、起業関連セミナーが多かった。ここのところなりを潜めてきたので、いい傾向だとか思っていたら、またそぞろに増え始めた。
昔は、経済活性化がメインで開廃業率の逆転+税収増を狙うために、若い大学生あたりをメインターゲットに「未来のホンダ、ソニーを目指せ」的な内容が多かった。どうも、最近の起業ものセミナーは趣が異なり、ニートとリタイヤ組の自分探し的な目的らしい。
でも、その内容はというと、そんなに変わらない。ようは成功者をつれてきて、自慢話をさせて、聞き手をその気にさせて、実務的なことをそのあと話して、起業に結びつけちゃうという仕掛け。その先、死屍累々の失敗になることはほぼ自明。
なんか、スキーをやった事の無い人間に、大倉山のジャンプ台(80m級)に吹雪の中連れて行き、金メダリストに一本実演させて「ほら、簡単に飛べるでしょ」って言って、ジャンプ用のスキーとウェアを渡しているような感じ。で、その気になったバカから順に飛んでいく。
吹雪いているから、ジャンプの瞬間は見えないし、落ちていく絶叫も聞こえない。で、主催者は後続の人に言う。
「ほら、ちゃんとみんな飛んでますから。戻ってこないのがその証拠です」

今の起業支援は、まさにこの構図。
まずはスキーの基礎からちゃんと教えてあげましょう。