官なんかくそっくらえだ

imgd7f715aazikbzj.jpgなんだか汚いタイトルでいい話をしようと思うわけなんだけれども、新春に、当センターに出勤すると「知っとこまい!安城の市の子育て・児童福祉」という冊子が置いてあった。

内容は、子育て日本一を目指していた(今は環境日本一に変わったらしい)安城市の子育て支援の制度や施設について仔細に調べられた物をまとめたものだ。全180ページの大作。カラーページあり、加えて実際に自分の足で各施設の見学をしたレポートなども含まれている。
これだけの内容なので、市役所が配布しているものかと思いきや、なんと一個人が自らの止む止まれる思いで作ったものなのだ。

紙代は自腹。印刷と製本は当センターを使っていてくれたため、巻末に当センターの紹介と「この冊子の印刷・製本はわくわくセンターの印刷機器を利用しました」と、わざわざ断っていただいている。

どこの市町村にいったって、政策の実施以外の政策の周知やその施設の紹介自体はあまり行われていない。で、多くの住民は、「官の怠慢だ」と非難をし、その広報までも役所の仕事だからやれという。が、この方は子育ての個々の支援政策の運営自体は官にやってもらってそれを良かれとし、それを周知し知らしめることは自分がやるという姿勢だ。で、せいぜい、官のできる支援は印刷設備のお貸出ぐらい。

その証左に「安城では子育ての支援や児童福祉について様々な施策や支援が行われています。」それらの情報を「冊子にまとめることが出来れば(中略)より理解できるのではないかと思い(中略)作成しました」「地域の社会資源を十分に活用して、安心して子育てが出来るように、子育てを楽しむことが出来るように・・・是非参考にしていただけたら」と冒頭に述べられている。

まさに、なんでも官にやってくれではなく、また、理解する仲間がいないことを嘆くでもなく、淡々と自らがより良い地域社会を作るうえで、必要な何かを見つけて淡々と作業される姿勢は尊敬してしまう。
安城の住みやすさを作り出しているのはこうした人々の気概と努力とさりげなさであるといってもいい。

官がやらないからわからない、財政がわるい、コミュニティが成立しない等々言い訳するより、住民であれば出来ることはどこかに必ずあるはず。
そうしたことを教えてくれる一冊だ。

で、もっと驚くべきことに、これは続編で昨年は「知っとこ 安城の高齢者福祉」というのを、この方は作ってもいる。こちらも110ページの大作。安城市民活動センターとしては頭の上がらぬ尊敬できる方である。